国内にシマノデュラエースに対抗できるメカがあったことを体感した人も今や30年以上前から自転車趣味を続けるベテランサイクリストに限られるようになりました。
サンツアー(前田工業)はシマノ同様、ヨーロッパチームに機材供給して数々の勝利に貢献しています。
もちろん、そのパーツは最上級グレードのシュパーブ(プロ)シリーズです。
そのシュパーブが発表・発売されたのは77年初期。これはニューサイクリング誌の77年2月号の新製品情報に掲載された記事です。
Wレバーはサイクロンの流用ながらも、FD・RDは新設計です。ここに掲載されているFD(フロントディレーラー)は殆ど市場に出回らず改良型に変更されてしまった製品です。
多くのベテランさんがシュパーブFDと認識するのは、一番上のタイプでしょう。肉抜き穴の形状はサイクロンにも通ずるデザインです。
そして、下の2つが幻の初期製品となります。アルミプレート採用で重量はたったの78g。当時は100gを切れば軽量とされていました。もちろんデュラやカンパより軽く、当時最軽量だったユーレージュビリーの80gよりも軽かったのです。
しかし、悲しいかな軽量化のためのアルミプレートに問題があり、回収!? 騒動になってしまいました。
発売からたったの5ヶ月、ニューサイクリング77年7月号には見慣れた鉄プレートのシュパーブFDに変更されます。
本体部分はそのままに、問題のあったプレート部分を改良しています。
以下、ニューサイクリングの記事からの引用です。
●シュパーブフロントチェンジ
シュパーブシリーズが発表されて間もないが、一部変更になっているのでお知らせする。変わったのはフロントチェンジで、チェンガイドのプレートが鉄に変更されている。軽合金ではたわみが多すぎ、チェンジの動作がにぶかったためである。
うーん、ロクにテストをしないで市販してしまったということなのでしょう。この点はシマノも後のデュラエースaxで散々叩かれてしまうのです。
鉄プレートになった改良型シュパーブFDは20gほど重くなってしまい、カンパやデュラエースと同程度になってしまうのでした。
シュパーブシリーズはその後、軽量バージョンのシュパーブプロシリーズに切り替わっていきます。
最後のシュパーブFD(左上)はキャパシティ18Tとすることでロード用というよりもロードツーリング系的なパーツのグレードに変更後、シリーズそのものが消滅し、シュパーブプロがサンツアーの最上級クラスとして残ることになったのです。
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