パーツの好みというものは、自身が自転車趣味を始めた頃の影響が大きい事でしょう。私が本格的なランドナーを購入した80年代半ば、この頃は国産の自転車関連メーカーが輝いていた時代でもありました。
今回取り上げるのは、サンツアーが高級路線に乗り出して、メーカーの威信をかけて作りあげたサイクロンディレーラーです。それまでのディレーラーとは比べ物にならないほどの仕上げの良さ、そして軽量化を果たしたモデルであり、当時のレース競技者だけでなく、ツーリストにも愛された逸品です!!
写真のモデルは初期型のショートゲージとなります。作り込みや仕上げの良さは勿論の事、パンタ部を貫通させるようにワイヤーを取付ける、独特な方式です。これは後継モデルのマーク2にも受け継がれました。
後のシュパーブに受け継がれるデザインは個人的に、当時のシマノの上をいっていたように思っています。
プーリープレートの形状も独特ですね。センス良いです♪
こちらは後期モデルのGTモデルとなります。いわゆるロングゲージ。キャパシティを増やす事でフロント歯数差の大きいツーリング車にも対応しています。この変速機のイメージが大きいため、私の中ではサイクロンはツーリングモデルのメカ、ロードはシュパーブといったイメージが出来上がってしまいました。
見た目は格好良いロングプレートですが、強度不足ですぐに曲がってしまうんです(苦笑)。
ショート、ロングの2ショットとなります。
裏側から見ると、ゲージの長さの違いがハッキリしますね。
こちらは、後継モデルとなるマーク2です。スタイルは当時のエアロブームを意識した流線型デザインです。サイクロンから引き継がれた、パンタプレート内を通すワイヤー方式です。それを留めるボルトがパンタプレートにあるのも個性的です。このマーク2、仕上げこそ今ひとつなのですが、当時最軽量の160g。しかも、ショートプレートなのにキャパシティが28Tもあるため私もランドナーに取付けていました。
●サンツアーサイクロンRD(GT)
本体/軽合金鋳造・アルマイト仕上げ トータルキャパシティ24T(36T)
重量/184g(188g) 希望小売価格5,900円(6,250)
★国産市販ランドナーの上級モデルにも、このサイクロンが取付けられているものが多かったですね。羨ましく眺めていたものです。当時、シマノには高級タイプのツーリングディレーラーが無かった事もあり、舶来ものには初めから縁の無い、学生サイクリストたちも、小遣いためて、背伸びして変速機だけはサイクロンを取付ける人も多かったですね!! ちなみに私は同じサンツアーでもBLを取付けるのが精一杯なのでした(苦笑)。
コメント