先日から再び古い自転車参考書を読み返しています。
最近のデュラエースは高くなったなぁ……なんて思ってましたが、
85年のカンパCレコのセットは198,000円!!
当時はとんでもなく高い金額に思っていましたが、
最新デュラエース9000の8点セットが175,000円(某格安ショップ)。
今のデュラの方が安いんですね!!
ちなみに現行カンパスーパレコードのセットが310,000円。
セカンドグレードのレコードが240,000円でした。
こうやって改めて値段を調べてみると、
デュラエースとカンパレコードの価格差は昔から比べると随分縮まりましたね♪
デュラが高くなったのか!? カンパレコードが安くなったのか!?
Cレコと言えば、偉大な前作のレコード&スーパーレコードのお陰で
デザインの斬新さは好き嫌いが分かれ、
レース機材としての強度不足が指摘されたりで、セールス的には今ひとつ。
慌てて自社開発したビンデングペダルも酷評され撃沈(苦笑)。
そこに来て、日本メーカーの大逆襲!!
デュラエースとシュパーブプロがツール機材に入り込んできましたから大変。
さらに追い打ちを掛けるように、世は空前のMTBブームに入ります。
慌てたカンパが、90年にMTBコンポーネントを販売したのです!!
鳴りもの入りで販売したのは「ユークリッド」と「ケンタウル」。
ケンタウルと言ったら、最近までロードコンポで販売されていましたが、
ご先祖さんは、何とMTBパーツだった訳です(笑)。
92年には、カンパの最高グレードの名を冠した、
カンパORレコードがラインナップに加わり、
ユークリッド改めイカルスとなったセカンドグレードと
下位グレードのケンタウルの3ラインナップとなります。
我が家に唯一残るカンパMTBメカのORレコードRD。何と定価は45,100円!!
しかし、不人気だったCレコを急遽MTBコンポに変更したようなモデルで、
当時絶好調のシマノとサンツアーのMTBコンポに敵う訳もありません。
悪い事は重なり、この年には、シマノはデュラエース7400のMTB版とも言える
XTR(初代900シリーズ)もデビューし、サンツアーXCプロとともに
高性能・上級MTBコンポを完成させるのです。
「高額」「重い」「平凡な性能」では、高セールスに結びつく事は出来ず…。
94年にはORレコード以外はカタログ落ちし、
95年にはMTBコンポから完全撤退することになりました。
たった僅か5年でのMTBコンポからの撤退。
しかし、この勇気ある撤退が無かったら、
カンパはサンツアーのように倒産していたかもしれません。
その後、シマノを追従する形で、エルゴパワーを開発し、
ロードコンポからの生き残りには成功しました。
一時期迷走していたデザインの方向性も持ち直したと思います。
積極的にカーボンを取り入れる事で、軽量化とブランド力も回復しました。
しかし、スラムという第3勢力の誕生と先進性を高めるシマノに対して、
再びカンパが迷走時代に戻っているように感じます。
低コストを進める為に、某自転車大国に製造委託も進めているようです。
カンパニョーロのブランド力は日本のサイクリストにとっては特別な存在。
いつまでもMade in Italyであり、イタリア人魂を持ち続けて欲しいですね。
☆
話しは、ちょっと逸れますが、90年頃の業界は、MTBは登録商標なので、
それを使わずATB=オールテラインバイクって
メーカーや一部雑誌では頑なに呼んでいたのです。
今では普通にMTBって言葉が使われるようになっちゃいましたね(笑)。
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