現代パーツは性能追求のあまり、個人の選択が疎かにされています。
その筆頭は変速システムでしょう。
ギヤの歯数の好みは個々で違うにも関わらず、
今やメーカーの無理強いする数種類のギヤ板の組み合わせしか出来ません。
それでいて高性能を謳うというのは如何なものかと私的には思っています。
メーカーからすれば性能の良さというよりも合理化したいだけなのでは!?
今やギヤ選択の要はリアのカセットフリーなのでしょうが、
ギヤ板を1T刻みで選べない昨今の事情は寂しすぎますね…。
☆
今回紹介するのは、今でも国内ブランドとして存在感ある、
スギノの往年の名品である「マイティビクトリー」のギヤ板です。
この製品は既に40年近く前に発表・発売されたものですが、
軽量化とデザイン性に優れた肉抜き加工が素晴らしい逸品です。
当時はレース機材と言えばカンパが一般的な時代。
国内メーカーに限らず、世界の自転車部品メーカーが
カンパのコピー商品と思える形状の製品を作り、販売していました。
ところが、このギヤ板は他社とは異なるオリジナリティに溢れていたのです。
単純に穴を開ける事だけでなく、通常より数ミリ厚さを増した上に溝を作り、
そこに肉抜きの丸穴を設けるといった凝りよう。
この時代の製品は、採算の合理化に走らず、より良い品を作るといった
職人魂を感じさせる商品が多かったですね。
PCDは144、今は競輪用として残るサイズとなります。
組み付け参考は、初代シュパーブプロのクランク。
これもサンツアーがスギノの生産委託したものです。
本来は、クランクもビクトリーとしたいところですが、
自身が所有するのはビクトリークランクの後継となるスーパーマイティのみ。
しかも実家で保管しているケルビムレーサーに取り付けたままですので、
参考写真として、マイティビクトリーとほぼ同型のシュパーブクランクを紹介。
チェリングの組み合わせは、当時オーソドックスな52×42Tとなります。
本体の溝の意図は異なりますが、マイティビクトリーのクランクも
このようにくびれた5本アームと肉抜き穴が格好良かったのです。
こちらは、エアロパーツブームに作られた、エアロマイティのクランク。
ロード用途で使う人は少なかったですが、
競輪パーツとして人気が高かったのです。
今のマッチョなクランク周りと比べると実にセクシーですよね。
競輪の大トルクにも耐えたのですから、剛性だって問題ないはず。
極太カーボンフレームには似合いませんが、
細身のクロモリフレームには、このようなクランク選択がベストでしょう。
クランク周りは、自転車の顔と思っています。
昔のイタリアンレーサーもこの部分で自己主張していたのです。
■スギノ・マイティビクトリー MCV ギヤ板■
アウター54~46T(1T刻み)、62~55Tは受注生産。
インナー50~42T(1T刻み)、PCD144
※データは1980年頃のカタログ値となります。
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