旅からす本館 日本をもっと楽しもう!!

butobosoと申します。 ヤフーブログ停止に伴い移行しました。自転車趣味を中心にライフスタイル全般ならびに旅日記をお届けします♪

自転車、鉄道、オートバイの手段で日本中を旅して30年以上。本土のみならず、北は礼文島から南は波照間島まで様々な土地を旅してきました。 分割ながら、自転車による日本一周を30代で終えました。 旅人宿であるユースホステルには300泊以上宿泊しました。 自費出版で「旅からす」なる旅の本も不定期に発行しています。 子育て真っ最中なので、中々旅には出られなくなりましたが、身近で小さな旅を楽しみながら、家庭崩壊にならない程度に多彩な趣味を楽しんでいます♪

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「ゴールデンウィークは遠野がいいかなぁ」
 ここ数年GWの自転車遊びを共にする8氏から一本のメールが入り、今年のGWの行き先模索が始まる。
 遠野は移動だけで1日を要するので却下。会津方面はどうか!?  と検討するも、東北の林道は雪による通行止めも懸念されるため、この案も断念。そこで二人の意見がまとまったのは、32年前に伊那から権兵衛峠を越えた後に木曽福島に抜けるために利用した古道・姥神峠(うばがみとうげ)の再訪。そして旧中仙道・藪原と奈良井宿を結ぶ鳥居峠、こちらも合わせて再訪する計画がまとまる。

 子育てに追われている時はお互い時間を合わせる事が難しかったものの、最近は昔のように一緒に自転車で山に入る時間が取れるようになってきた。先の見えて来た人生、ここらで昔を振り返るのも良い事。今回は32年前の薄れ行く記憶を取り戻すような自転車ツーリングになることだろう。

●石仏の宝庫、旧中仙道を鳥居峠に向かう
 極上の車中泊から眠い目を擦りながら準備を進める。

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                     国道に面した道の駅が今回のクルマのデポ地

 予報に反して雲が多いものの雨の心配はなさそうだ。本日の予定は交通量の多い国道19号をなるべく避けて、平行する旧中仙道の小径を進み、鳥居峠と姥神峠を走り、起点となる木曽福島の道の駅に戻る周回ルート。
 事前の情報収集が少なく、両峠ともに通行不能の可能性もあるためエスケープルートも想定済み。

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                 木曽川を跨ぐ石造りの重厚な橋を渡り木曽福島の街へ

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                   旧街道を走るクルマは少なく、とても走りやすい

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                           水車を模した水路は今でも現役

 まずは山中で食べる行動食を木曽福島の街で求め、鳥居峠に向かう。
 この辺りから既に旧跡のような建造物に目を奪われつつ、その度に足を止め、ファインダー越しにお互いを被写体として収める。こうなると中々距離は伸びない…でも、それこそが二人で走る時の暗黙のサイクリングスタイルである。

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                     古道らしく、沿道にはたくさんの石仏が点在

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                     立派な木造校舎も今は廃校となっていました

 古道らしく、石仏が点在する小径をクルマに追われる事もなく走れる喜び。こんなサイクリングスタイルを二人揃って30年以上続けて来れたのは奇跡かもしれない。そして健康である事、愚行を許してくれる家族にも感謝しなければいけないだろう。

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                      走っては停まりの連続で中々距離は伸びず

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           運行本数の少なさから、タイミング良く列車の通過は見られず

 地図上に気になる駅を見つけると立ち寄ってしまう鉄道好きの私のリクエストにも嫌な顔せず付き合ってくれる8氏。塩尻から中津川を経て名古屋に向かう中央本線(中央西線)は普通列車の本数は少なく、この時間帯は2時間に上下1本ずつの停車とあって、列車撮影は諦め、駅の雰囲気だけを味わい引き上げる。

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            サイクリストは皆無ながら、木曽川にはたくさんの釣り人の姿が

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             旧道がふっつり途切れている場所もあり、新道へ無理矢理合流

 途中で国道19号を走らなければならない区間もあり、旧道から自転車を担ぎ上げる場面にも出くわすものの、そんな小さなトラブルをも楽しんでしまうのが二人の走り方。

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                        藪原駅は明治43年に造られた古き駅舎

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                   ようやく愛車とともに列車を撮ることに成功です

 藪原駅には、これから向かう鳥居峠の立派な標柱が。ここから隣駅の奈良井までは鉄道・国道共にトンネルとなるが、旧国道であった路が林道として残っている。その路をショートカットするように直進的に上る旧中仙道の古道はハイキング道として整備。我々は32年前の思い出を辿るように旧国道の林道を進む事にした。

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                           石畳は最近敷かれたもののよう

 林道入口から走りやすそうな未舗装路になったが、石畳の誘惑に魅かれて旧中仙道の古道に入る。しかし、その石畳はレプリカのような真新しいもので旅情を掻き立てられず、32年前を回想するように再び林道へ。

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 断片的な記憶しか残っていなかったが、この路はハッキリと覚えている。路や植林の具合は昔のまま。通行止めや舗装化された路を想定していただけに、うれしい誤算である。
 トンネルの迂回路として利用する人は皆無ながら、この日は数人の山菜採りの方と出会った事を思うと、一定の需要があり、路の廃道化は免れたようだ。旧国道らしく緩やかな勾配で少しずつ標高を稼いで行く。このように走りやすい未舗装の林道は今や貴重だ。大抵は舗装されるか廃道=通行止めにされるか。それが日本の道路事情の現状だから仕方がないとはいえ、我々のような特異な趣味人にとっては寂しい流れである。
 林道入口から40分、鳥居峠(標高1197m)に到着する。藪原駅には立派な標柱があったのに、この峠にはそれを示すものが何も無いというのは如何なものか…。

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 32年前に比べると木々が生長し眺望が無くなったものの峠の雰囲気は昔と変らない。昔の記憶が蘇る事は少ないが、今回の旅の記憶は年老いても残っていてくれそうだ。

●奈良井宿から姥神峠へ……そして撤退
 峠の奈良井側には立派な休憩小屋が出来ていた。水場もあり有り難い。ここで昼食を済ませ中仙道の宿場町だった奈良井宿へ。

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                 休憩小屋には、多くのハイカーの姿を見かけます

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                 まるで映画のロケセットのような空間が残る奈良井宿

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            新国道と旧国道の分岐点、ここから姥神峠入口の羽淵集落へ

 ここの街並も32年前と変らないが、鄙びた観光地だった当時と比べると、今は映画村のセットのような余所余所しい感がある。出来れば投宿して人影まばらな夕暮れ時に散歩したい場所である。それは今後の宿題として残しておこう。
 峠を貫く国道19号の鳥居トンネルをかすめるように権兵衛街道を進む。奈良井ダムまでは多少勾配が厳しいものの総じて緩やかな道を上り詰めると国道361号と合流し、それを横切るように旧国道を羽淵集落へと向かう。

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                       撮影中も番犬に吠えまくられ……

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                このカーブミラー、32年前と全く変っていません

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                  峠の登り口にも小さな社が祀られていました

 過疎化が進み、集落ごと消えてしまうような所も珍しく無いが、姥神峠の起点となる羽淵集落は健在。芝桜の綺麗な庭を望みながら進むと、お約束の番犬からの洗礼たる吠えまくり。犬の苦手な私だが、何故かこの場所では嫌な気分ではなく、人の住む生活感に安堵するのであった。
 32年前に拍子抜けした民家の脇をかすめるように入り込む姥神峠の登山口。カーブミラーも昔のままなのには8氏と顔を合わせてニンマリ。

 峠の詳細レポートは、既に報告済みなので省かせて頂くことにしよう。

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          ぼんやりと記憶に残っていた風景そのままだった姥神峠の石仏群

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         この峠はパスハンティングルートとしては既に役目を終えています

 入口付近は担ぎとなるものの、次第に勾配は緩くなり、押し歩く事約30分で姥神峠(標高1280m)に到着。
 ここはまるで時が止まったかの要な空間だ。古道らしく石仏が峠を訪れる旅人を見守り続ける。残念ながら神谷集落に降りる路は閉ざされてしまっていたが、再びこの峠に愛車とともに、そして親友とともに訪れる事が出来たのは大きな収穫であり、喜びである。 

 後編につづく…。

                          [2016年5月1日走行]

〈参考ルートマップ〉

〈タイムテーブル〉
道の駅木曽福島08:20→藪原10:50→鳥居峠11:45→奈良井宿13:15→
羽淵集落14:25→姥神峠14:55→崩落箇所15:30→姥神峠16:00→帰着17:30  
走行距離64km

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