旅からす本館 日本をもっと楽しもう!!

butobosoと申します。 ヤフーブログ停止に伴い移行しました。自転車趣味を中心にライフスタイル全般ならびに旅日記をお届けします♪

自転車、鉄道、オートバイの手段で日本中を旅して30年以上。本土のみならず、北は礼文島から南は波照間島まで様々な土地を旅してきました。 分割ながら、自転車による日本一周を30代で終えました。 旅人宿であるユースホステルには300泊以上宿泊しました。 自費出版で「旅からす」なる旅の本も不定期に発行しています。 子育て真っ最中なので、中々旅には出られなくなりましたが、身近で小さな旅を楽しみながら、家庭崩壊にならない程度に多彩な趣味を楽しんでいます♪

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 昨夜は温泉に浸かり野天での宴会。女房子供が見たら、どう思うだろうか!?  でも、それが楽しみで自転車を走らせている訳で家族や他人からどう思われ様が関係ない。ただし深酒だけは要注意。数年前の乙見山峠越えでは、宿で調子に乗り深酒したおかげで走り出しは一汗かくまでが大変であった。

●静かな旧国道の地蔵峠を越えて開田高原へ
 昨朝と違い陽射しがあり気温も高め。今日は御岳の雪山を望む開田高原を訪ねるので天気が気がかりだったが一安心。そそくさと朝食と準備を済ませクルマの宿を出発する。
 国道361号は連休を楽しむクルマやオートバイが多く、落ち着いて走れない。何よりカメラを向けたくなるような被写体も少ない…。栃本集落への路に逃げ込むように入り込むと石仏たちの歓迎が待っていた。昨日に続き、停まってはカメラを向けてのスローペースが始まる。その傍らを不思議そうに我々を見ながら走るサイク
リスト一行が挨拶をしながら通り抜けて行った。

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          クルマのためのバイパスルートのような路では出会えない風景の連続

 国道361号を離れ旧国道に入る。新道は直線的に急勾配の路とトンネルで開田高原を結ぶが、クルマにやさしい路はサイクリストにとっては苦痛だったりする。旧道はそんな新道とは対照的に谷を巻きながら九十九折れで標高を稼いで行く。そしてピーク地点はただの通過点でなく、古道の雰囲気漂う地蔵峠である。
 実はこの地蔵峠も28年前に単独行で越えている。学生時代からの仲間がみな自転車から離れた頃で、それに反発するように日本中を精力的に走り回っていた。夜行と普通列車を乗り継ぎ木曽福島に降り立ち、高山を目指して地蔵峠を越えた。紅葉時期の少し肌寒い中、励まし合う仲間もなく峠越えが辛かった記憶がある。

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                  唐沢の滝から開田高原へは登山道が整備されていた

 一人で走った印象と今回は違っていた。路は次第に勾配が増して来るものの8氏と他愛もない会話をしながらユルユルと上り詰めて行くとラクに感じてしまうのだから不思議なものだ。
 二本木の湯を過ぎるとクルマの往来もほとんどなくなる。唐沢の滝では二人の外国人ハイカーの姿が。途中タクシーが抜いて行くのを不思議に見送ったが、その乗客がこの二人だったようだ。日本人観光客も来ないような場所をわざわざタクシー使ってまでやってくるとはただ者ではない。外国人から見れば我々二人を奇異な目で見ていたかもしれないが…。

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            地蔵峠は開田高原への入口でもあり、御嶽山の眺めも素晴らしい

 最後の急登急カーブを抜けると、その名の通り地蔵が一体見守る地蔵峠(標高1335m)に到着。昔より木々が成長したため遠望は今ひとつながらも雪をまとった御嶽山の勇姿がハッキリと見える。今回の旅の目的の一つだった雪山眺望を果たす事が出来た。2014年の噴火は残念ながら大きな被害を出してしまったが、遠目に見る美しい山並みには何ら変化を感じない。

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                         地蔵峠脇から開田高原へ至る登山道

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             最初はドジョウなどと勘違いしてしまったサンショウウオくん

 峠からは古道跡を利用して作られた登山道を下る。この路がまた良い具合。階段を含む段差が少なく開田高原までほぼ乗車して下る事が出来た。ハイカーの姿が全く無いのは勿体ない。途中の人工的に設けられた水場に取り残されてしまった山椒魚を救出。そんな存在に気が付くほどスローペースな走りなので、昨日に続き本日も昼食までに30kmの距離をも下回る。サイクリングは距離ではなく、その中身が重要。走った路の景色や出来事に無頓着では、ただのトレーニングになってしまい、趣味の自転車とは言えなくなってしまうのでいないだろうか。

●雪纏う御嶽山を周遊するように高原を走る
 開田高原は桜が見頃を迎えていた。しかし都会のようにブルーシートを敷いて宴会をするような無粋な姿は見られない。都市部と違い、自然が豊富なこの場所では桜は主役ではなく、むしろ他の花々とともにアクセントの一つに過ぎないようだ。

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                            開田高原は花真っ盛りの季節

 丁度昼時のタイミングとなり、オートバイの連なる蕎麦屋を見つけ入る事にした。時代の流れではあるが、旅やツーリングに関する事情通はサイクリストよりもオートバイライダーの方が格段に上である。だから、この蕎麦屋を選んでも間違いはないはず。

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                  木曽といえば蕎麦だけでなく森林鉄道も知名度高く

 宿屋を兼ねた古民家の店では、県内有数のそばの産地だけあり、美味なる蕎麦を頂く事が出来た。ライダーが集まる理由は味だけでなく、ライダー割引制度なるものがあるためだった。有り難い事にサイクリストにも適用されるようで普通盛りの値段で大盛りの蕎麦を提供される。このようなサービスは二輪旅人の聖地である北海道では珍しく無いが、内地の店では珍しい。

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 かつての開田高原は、観光や避暑地として人気だったものだが、今やそれも過去の事のよう。山梨県の清里が狂騒の観光時代を終えたように、ここ開田高原もGWとは思えないほどの静けさが漂っていた。唯一賑わっているように思えた観光牧場の脇を走り抜けて帰路の道となる。

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                  上松へと下る路では、中央アルプスの山並みを望む

 木曽周辺の路は主要道から離れ集落に至る路に入ると途端に石仏群の宝庫。この地域の人達が先祖代々から集落を守り営んで来た証拠。我々のような通りすがりの者がそれらを語る資格などないはずだが、これを好む事は自由であるはず。
 今回の2日間の走りで出会った石仏たちは、これから先もきっと路を行き交う者を見守ってくれ続けるだろう。それに対して、石仏を意識して訪れてくれるようなサイクリストを含む旅人の姿は減る一方なのは寂しい事ではないだろうか。
                                  (完)[2016年5月2日走行]

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 今回の日記は、以前寄稿していたニューサイクリング誌の原稿をイメージして書いていますが、ブログの性質上読みにくくなって申し訳ありません。そして文面的には未熟な部分も多々あります。これらを修正、加筆して完全版的な紀行文は、夏発行予定の自費出版「旅からす」の最新号に掲載する予定です。

〈参考ルートマップ〉

〈タイムテーブル〉
道の駅木曽福島08:20→地蔵峠11:00→開田高原村11:30→木曽馬の里13:00→木曽の湯14:00→才児16:00→上松17:00→帰着17:30   走行距離69km

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