今回は、今はなき国産メーカーのサンツアーから「マイクロライト&エアロダイナミクス」コンセプトとして誕生した名機サイクロンの後継となるサイクロンマーク2を取り上げます。
これまでも度々取り上げてきたサンツアーサイクロン。
1975年に発売された初代サンツアーサイクロンは冷間鋳造により、それまで200gを切れば軽量だった国産リア変速機(以下RD)を一気に25gも下回る175gと国内最軽量メカとして誕生。
そのギュッと引き締まったボディと仕上げの良さに、サンツアーのトップグレードというよりも、国産トップグレードのパーツとして世界に対抗できるRDを作り上げました。
その後、サイクロンのネガティブ部分を徹底的に改良したシュパーブシリーズが発売されるも、そちらはレーサー部品として突出していたのに対して、ロングケージ(GTタイプ)も用意するサイクロンはツーリング車乗りにも好評。
初代サイクロン発売から6年後にサイクロンマーク2は発売されます。
そのスタイルはライバル会社のシマノデュラエースaxシリーズを発端とするエアロブームに合わせるようなスタイルでした。
シマノが既存構造をガラリと変えてまでエアロ効果を謳ったのに対して、サンツアーは既存構造を踏襲しながらもコンセプト通りに、小型軽量と空気抵抗を考えたスタイル。
重量は初代サイクロンからさらに15g減量し160gに。当時の国産メカ最軽量な上に、世界的に見てもユーレージュビリーに次ぐ軽量化モデルとなります。
※後に154gの軽量バージョンを発売
サイクロン伝統のパンタアーム内側にシフトワイヤーを通すホールインワン・ワイヤーシステムも受け継がれました。しかも取り付けボルトもパンタアームに内蔵されてスッキリしたデザインに。
インパクト的にはデュラエースaxほどではありませんが、正常進化なサイクロンマーク2はロングケージモデルも用意する事で、初代サイクロン同様にツーリング車に取り付けられる人気モデルとなります。
ちなみに私はショートケージでもキャパ28Tとワイドだったため、ランドナーに組み込んで使っていましたが、このメカの泣き所なゼンマイバネ破損を2回繰り返したところで他のメカに交換してしまいました。
マーク2発売後も初代サイクロンは継続販売ながらも1983年頃にカタログ落ち。
代わりにシールドメカを売りにしたシュパーブテックなる珍メカにカタログ差し替え。
初代サイクロンにラインナップされていたシフトレバーはマーク2では最後まで発売されず。

代わりに用意されていたのがトップマウントシフトレバー。
http://butoboso0217.livedoor.blog/archives/3999764.html
ただし、こちらは凝った構造ながらも専用台座の位置が特殊なため、従来のサイクロンやシュパーブWレバーとセットで使う人が多かったです。
先の記事でも書きましたが、マーク2のFDはエンドレスクランプモデルのみの販売でしたが、途中からノーマルの取り付けバンドモデルが追加販売。ともにバンド径はクロモリパイプに合わせた28.6mmとなります。
最後は、サイクロンマーク2から進化した2代目シュパーブプロとの比較画像です。
シュパーブは初代同様にサイクロン(マーク2)のデザイン意図を組み込んだモデルとなります。
シュパーブプロがサイクロンからの進化であることがよく分かります。
当時のサンツアー上級モデルはサイクロンでの先行発売で市場状況を見極めてからシュパーブを発売させていたようです。この点ではシマノのようにいきなり冒険したデザインのデュラエースaxの失敗とは真逆のようですね。
結果的には、サイクロンマーク2は初代サイクロンほどの人気は得られませんでしたが、まだ体力のあったサンツアーがシマノと真っ向勝負していた頃の名作と私は今でも思っています。
●サンツアー サイクロンマーク2(ショートケージ)●
販売時期/1981年~1985年頃 キャパシティ28T 最大フリーロー側26T
重量/160g 価格/5,900円
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コメント
コメント一覧 (12)
全てが懐かしいデス~
単体で初めて買った本格的なパーツがサイクロンメカセットでした!
82年の春にJEX系メカ仕様のエアロロードフレームを手に入れましたが、マーク2メカを組み込めたのはついこの間の事!
Rメカを入手し、完成と言える状態にするまで30何年かかってしまいました!!
サイクロン初代とマーク2のRメカは、パンタアーム内をワイヤーがダイレクトに通り、少ない力で軽く引けるのが特徴!戻す際のキレ味が鋭すぎるので慣れが必要かと思いますが(笑)
カンパの初代電動メカ、パンタ内を動作アームが貫いているのを見てサイクロンのパクりかな?って勘ぐっちゃいました(爆)
現在もスグ実働できる状態にありますので、掃除したついでにチョイ乗りしていますが相変わらず切れ味は最高だと思っていますヨ!!
butoboso0217
が
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このサンツアー サイクロンマーク2も素晴らしいですが、この時代に青春時代だった我々も幸せでしたね~🎵
あんないい時代に、自転車趣味を満喫できたのですから❢
サイクロンマーク2のRメカのデザイン💖 しびれちゃう程セクシーで
しかも、素早い変速に感動します❢ シマノ嫌いな私にとってこれ程
素晴らしいメカはありません(笑)
butobosoさんに譲ってもらった他に、Rメカだけ新品ストックしてます🎵
🌙実は、夕べ🍶酒の肴がなくなり自転車部屋に行き、ラバネロロードのWレバーを引き、サイクロンマーク2の変速を眺めていたのです🍺
そしたら、うっとりしちゃって🍶もう1杯 飲んじゃいました(笑)
butobosoさんから譲ってもらったマーク2のF&Rメカとシュパーブプロのペダルは、生涯の宝です🌟 本当に、ありがとうございます❢
butoboso0217
が
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でも、初代サイクロンの方が上級モデルに見えたりします。
話が全然違うのですが、カメラマン、故サンダー平山さんって横浜の方だったのですか?間違っていたらごめんなさい。キヤノンのカメラを使っていた方らしいです。
butoboso0217
が
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おはようございます。
何故かサイクロンマーク2って過小評価されていますよね。初代が偉大すぎたのかもしれませんが、マーク2の切り開いたサンツアーの新世代メカはその後他のメカにも引き継がれていきましたしね。デュラaxシリーズとともに日本メカが一皮向けて世界に肩を並べる第一歩になったエアロブームでしたよね。
確かにホールインワンシステムは独特の引き具合でしたね。シュパーブテックはさらに凄いことになりましたが(苦笑)。
特にトラブルが起きたことはないのですが、サンツアーはシュパーブシリーズでは採用しませんでしたね。整備性が悪いとはもいえないのでもっと普及しても良かったと思ってますよ。
カンパ初代電動メカ、苦肉の策でしたね。何か変わったことをしないとシマノとの差別化を測れないと考えたのかもしれませんね。
butoboso0217
が
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おはようございます。
マーク2の記事は何度も取り上げていましたが、詳細をまとめていなかったので今回は古いカタログ引っ張り出して記事にしてみました。
マーク2って私らより5歳以上の先輩たちには評判悪いんですよね。エアロブームそのものを気に入らなかったランドナー乗りの方たちには、のっぺりパーツは要らないなんて酷評されていたのが当時の事です(笑)。
酷評される一方、私らのように洗練されたマーク2のデザインに魅入られたサイクリストも多いはず。しかもデュラax よりかなりリーズナブルでしたしね♪
サンツアー 製品にも当たり外れはありますが、シュパーブシリーズとサイクロンマーク2まで素晴らしいメカでしたよね。3代目サイクロンがロードコンポに変更された時にはガッカリでしたよ。
butoboso0217
が
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おはようございます。
釣り人さんのアトランティスにはGTタイプが取り付けられていましたよね♪
今やGTタイプはとても貴重な品になっていますよ。ショートタイプはヤフオクにたくさん出ますがGTタイプは滅多に出なくて高額取引されています。耐久性には難あれど、チェーンを外しやすかったクイックケージシステムもサンツアー ならではのアイデアでしたね!!
サンダー平山さん、横浜は野毛にある大貫カメラに出入りしていましたよ。私も常連だったのでお会いすることも何度かありました。巨漢な風貌でとても目立つ人で、横浜のディープな空間で撮影もよくしていましたよ。平山さんもCPS(キヤノンプロ登録)だったと思います。でも、彼は他メーカーもいろいろ使っていて、写真好きではなくカメラ好きを豪語していたと記憶します。
butoboso0217
が
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好き嫌いありましたが
各メーカーが切磋琢磨して
活気ある時代でしたね。
ランドナーを組み上げつつありまして
サイクロンのロングケージを
シュパーブに移植しようとしたら
構造が異なりダメでした。
butoboso0217
が
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サイクロンマークⅡ 新入生の自転車を組むときに使いました。
余裕のある人向けでした 無い人には ARx どちらも ロングゲージ
しかし ロングゲージが繋がっていないのは チェーンを通すのは楽でしたが 構造的に弱いのが気になりました。
あとは バネが特殊で 分解したら 元に戻らない とか 爪が飛んで 大騒ぎしていたように思います。
チェーン巻き込みで 大破した後輩もいました。
無茶するやつには もったいないメカでした。
自分自身は サイクロンマークⅡは 使うことが無かったのですが
新入生の自転車は ほとんど私の独断で 部品セレクトしていたので 楽しかったですよ。 (サンプレや ユーレーも 豊富な時代でしたし・・・自分用は おもにこちらでした なんとなく 人と同じは嫌だったので!)
butoboso0217
が
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こんにちは。
サイクロンとシュパーブ、似て非なる部品構造でしたね。
昔どこかでシュパーブGT化しているのを見たことがありますよ。苦労して移植したようでした。この時代は2個1、3個1も当たり前のように組み合わされていましたよね。
現代だとヤフオクで、そんな不当改造な品が地雷的に出ているので怖いのです(笑)。
やっぱり今の部品にはトキめかないですよね。電動メカなんて尚更。
自分でバラせてプチカスタムできるような品の方が良いのです。自転車部品までクルマのようにブラックボックス化されてはつまらないのです!!
butoboso0217
が
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こんにちは。
サイクロンはちょっとした贅沢品でしたね。ほぼ同じ構造のarx使うのは正解だったかもしれません。その少し前の時代はVXだったりしましたよね。
ロングケージ弱かったです。酷使するとすぐに曲がっちゃいます。サイクロンだけでなく他のシリーズでも採用されていましたが信頼性は低かったですよね。
ゼンマイバネも良いアイデアなんですがトラブルの元で…。エアロ時代なメカは斬新な構造やデザインでしたが、ツーリストの求めるタフさには程遠かったですね。
ツーリストがサンプレ使っていた理由が理解できるのです!!
butoboso0217
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さて、カタログ重量160Gとなってますが、スペシャルバージョンがサンツアーより発売されてまして、ピボットボルトとプーリー取付ボルトがアルミ製になってます。確か公称154Gだったかな?
このスペシャルバージョンだけはなかなか使えません。というか箱から出せません(笑)
butoboso0217
が
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こんにちは。
2台の愛車でお使いですか。トラブルなく使い続けられているようで何よりです。
私の場合はゼンマイバネの破損で使用不能になりましたが、ショートケージながらもキャパシティ大きめのマーク2は使いやすいメカで重宝しましたよ。
記事内にも書いていますが、軽量バージョンが後に発売されましたね。154gの重量は当時の国産メカではぶっちぎりの最軽量品でしたね!!
butoboso0217
が
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