昔は普通にフリーホイールと呼んでいた「ボスフリー」。
現代ではボスフリーは少数派となり、「カセットフリー」全盛ですが、カセットフリー創成期の頃は、それほど人気は高くなかったのです。
国内製品で真っ先にカセットフリー方式を採用したシマノデュラエース。
しかし、受け入れた人は少数派。7200系デュラエースEXで発売されたカセットフリーハブも売れ筋は併売されていた初代ジュラ(7100系)のボスフリーハブ。
失敗作となった7300系デュラエースAX後に発売されたNewデュラエース(7400系)でもボスフリーハブとカセットフリーハブは併売され、ようやく9速時代の7700系デュラエースでカセットフリーハブのみのラインナップとなりました。
デュラエースEXカセットフリーハブ(FH-7260)。
ボスフリー同様にゴールドタイプのスプロケット。5速と6速が用意されていました。
デュラEXはスモールだけでしたが、セカンドグレードの600EXにはラージタイプのカセットフリーハブも販売。
トップギヤをねじ込む形でスプロケットを固定。
エンド幅120mmがまだ主流だったため、フリー本体も短いです。
現代では12速となったカセットフリー。
デュラエースの初代カセットフリーは5速と6速です。
この頃、シマノのライバルメーカーのサンツアー(前田工業)では7速ボスフリーを発売。多段化という面ではシマノは国内ライバル会社にも遅れをとっていましたが、カセットフリーは次第に人気を高めていきます。
トップギヤは最小12Tだった時代に、シマノカセットフリーは11Tを用意。
トップレーサーが踏み込むと割れる!! なんて噂も流れましたが、実際それを見たことはありません。
11Tから使えることでチェーンホイールのアウターを小さくできるメリットがあり、ロードレーサーでなく、ツーリング車に組み込む人もいました。
後にサンツアーがXCシリーズで展開したMD(マイクロドライブ)コンセプトの先駆けのような使い方が出来たのです。
今では考えられませんが、カタログでは6速ギヤは11-16Tのクロスレシオが標準とされています。
私も最初に組んだロードレーサーでこのデュラEXフリーハプを使っていましたが、平地主体のレースで11-19T、修善寺CSCのような激坂含むコースでは12-23Tのギヤを組み替えて使って来ました。
ボスフリーと比べると簡単にスプロケ交換できるので競技機材としては使い勝手良かったです。
自転車を美しく、かつ強固なホイールが組めるラージハブが好みですが、カセットフリーハブが普及していくとラージハブも減っていき、今やトラックレーサー用のイメージとなっていきます。
異端児だったカセットフリーハブが現代では標準タイプに。いつの時代も革命的な製品の発売当初は中々売れ入れられなかったのです。そして失敗していく新規格をシマノは他社以上に出しながらも現在の業界トップにまで上り詰めたのです。
〔初代デュラエース ラージハブの記事はこちらをどうぞ〕
https://butoboso0217.livedoor.blog/archives/581641.html
●デュラエースEXカセットフリー ハブ(FH-7260)●
販売開始/1980年~ トップ用スプロケット/11-19T 2段目以降12-28T
5速用(120mm)、6速用(120、126mm) 28、32、36H
標準価格/21,150円(5速用スプロケ付き)、21,550円(6速用スプロケ付き)
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コメント
コメント一覧 (10)
このクイックのロックナットが一番格好いいと思ってる。ブロンズ色の好き嫌いはあるけど俺は受け入れられた。
カセットを一早く買ったS氏は得意げだったよね。俺はあの頃は既にパスハンに目覚めて違う方向を見ていたなぁ。
butoboso0217
がしました
いまやカセット歯が標準になりましたが
うちでは小径車で使っているだけで
サイクリング車はボスフリー
しかも5段(汗)
歯の質も良くなり
大径でも軽くて
前シングルでも行けてしまうので 魅力はありますね。
butoboso0217
がしました
シマノのフリーハブとカセットスプロケットは中学生の頃~
当時はまだ経験が満たず、感想を述べられるほどの実感はありませんでした
まさか!?サンツアーの方が先だったなんて~(大汗)
自身最初のロードレーサーはリアエンド120mm!
ウチの自転車競技部ではフロント50×42、フリーは13~21と決められており、チェーンリングはまだ廉かったのですぐ対応出来ましたが、14~22の5速フリーではダメダメ!!
街道練習で先輩から「回転が合わない!!」って怒鳴られ~(昭和時代のエピソードです・笑)
慌ててサンツアーウルトラ6を購入し、叱られないようにした憶えがあります!!
フリーホイールとチェーンを購入するだけでも大事なのに、ホイールを組み替えてまでカセット化するなんて考えは無く・・・
以後、デュラエースが8速化されるまでずぅ~っとボスハブ、フリーホイールで通しました!
もしシマノが8速ボスフリーを出していれば、私がフリーハブを買うのはもっと後だったと思いますヨ(笑)
butoboso0217
がしました
今でも、ボスフリーとカセットフリー両方、使ってます🎵
ボスフリー(シマノ6段)は、ランドナーでエネシクロのラージフランジハブで使ってます。
サンツアーシュパーブプロのハブも、ボスフリーで、サンレースです🎵
完組ホイールは、ハブがマビックなので、嫌でもカセットフリーです。
サンツアーがあった頃の自転車業界は、楽しかったですが、今はシマノのやりたい放題なのでついていけません💦
最近、自転車に乗れてないので危機感を感じてます💦
butoboso0217
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お疲れ〜。
昨夜は久しぶりに夜の11時すぎに製版入れの作業やらされてグッタリだよ。
昔は当たり前だったけど、今時それを要求されるなんて時代錯誤だなぁ(汗)。
デュラEXから環付き式やめてこのタイプになったね。操作性も含めてこちらの方が使いやすい。なのに74デュラでは再び環付きに戻されたからシマノにも迷いがあったみたいだよ。S氏は叩き売りのAXハプ28Hに11Tトップで使ってたよね。あの頃はまだカセット式には不安もあったなぁ。
butoboso0217
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こんばんは。
今やボスフリーの5段が一番入手難かもしれませんね。新品だとIRDが販売しているだけで、シマノも6段からだけになってしまいましたし。でも、ヤフオク見ているとパーフェクト5段の新品が結構な数出てますね。
カセットフリーはメーカー間での互換性なしが悩ましいですが、今やこれ以外の選択肢は皆無に近くなってしまいました。リア10速以上ならフロントシングルでもいけますが、変速機もそれに合わせたロングケージが必要になっちゃうのが難点で…サンツアー メカ使えなくなってしまいますし(苦笑)。
butoboso0217
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こんばんは。
サンツアーカセット、かなり早い段階から開発されていましたよね。ただ、市販されずにショーモデルで終わったんでしたよね!? フランスメーカーのカセットフリーの開発に熱心でしたね。アイデア自体は古かったですが、中々市販に結びつかなかったのにデュラEX(AX)で一気にメジャー化しましたね!!
集団走、回転が合わないと怒られる!! 昔の運動部らしさを連想させます(笑)。
ウルトラ6フリー、120エンド幅の救世主でしたよね。今でも私の主力サイクリング車で活躍してくれてますよ。
ボスフリーは当時は技術的に7速までが限界とされいましたね。デュラ7402で8速カセットが出た時、ボスフリーは7速のままで販売継続されていましたよね。
butoboso0217
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こんばんは。
エネシクロハブ、丸穴ラージですね。カンパヌーボみたいで格好いいです。
令和の時代になっても新品のボスフリーやラージハブが買えるのは助かりますよね。
昔はボスフリーのスプロケもショップの壁なんかにたくさん並べられていて、歯数が選べたりしました。歯数交換を頻繁にするなら断然カセットフリーが便利ですが、そうでなければボスフリーを使い続けるのも良いですよね。競技使用でなければ歯数にそれほどこだわる必要はないですし。
身体はひとつに対して愛車がたくさんあると悩ましいですよね(汗)。
butoboso0217
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サンツアーパーフェクト5段、一番思い出深いです。うちにも予備がありますが、なかなか自転車に乗れないです。
デュラエースのハブ、やはり自分の年代だと「環付きナット」がカッコいいと思ってしまいます。
butoboso0217
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こんばんは。
ボスフリーに関してはシマノよりサンツアーの方が人気ありましたよね。元々前田工業が得意としていた分野とはいえ、カセットフリーに出遅れたのは痛手だったと思いますよ。
ハブの製造がサンシン頼りだったのもあるのでしょうね。
シマノも迷いがあったんだと思いますよ。74デュラで環付きに戻すも、77からは再び環無しタイプになってしまいましから。
butoboso0217
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