今年の紅葉ツーリングは、久しぶりに中央アルプス南端に位置する飯田方面とする。
過去には権兵衛峠、大平峠を越えて木曽路側に抜けているが、今回は木曽側には下りずに飯田市内と隣接する下條村を起点に走り出すコースを練る。
1日目の走行ルートは試行錯誤の末、いつもとは違った趣向として、飯田線の秘境駅区間の駅巡りをすることに。過去にも走行の途中や輪行のために鉄道駅に立ち寄ることは多かったが、今回は到達困難とされる秘境駅に訪問することが目的となる。
●山道レベルの崖を降りると、そこは秘境駅ランキング上位の「田本駅」
下條村の道の駅で一晩過ごし、出発の準備を進めるも小雨が降り続く。
予報では朝から晴れ予報だったが、雨雲レーダーを確認すると、次々と山域を雨雲が流れ込んでいる。この日、木枯らし一号が吹いたところがあったようで、中央・南アルプスに挟まれた地域は早朝から不安定な天気。初雪観測された場所も近くで点在。
9時前にようやく日が差してきたタイミングで出発するも、すぐに再び冷たい雨となる。
国道を外れて裏道に入ると、気持ち良い山村風景が広がり、天気とは裏腹に気持ちが踊る。
天竜川の対岸に位置する山の頂付近は日差しが当たっていることから、この先は雨具の心配もなさそうだ。
突然道端に現れた「子宝の丘」の石碑と男根像。
過疎化が進む山村の繁栄復興を祈り飾られたものだと思ったのだが……。
そんな石碑は、近くにあったクルマは古いが真新しい邸宅の今はなき主人の作品であるとのことを聞かされる。
「わたしゃあ はずかしいけど だんなのいきがいだったので」
なるほど、邸宅の敷地内にもたくさんの遺作が残されていた。
川下り観光で有名な天竜川。
この地域の最下層的な位置を流れ、その険しい地形に沿うように飯田線が延びる。
不意に踏切の音が鳴り出した。
数時間に1本程度の飯田線車両が橋下に位置する唐笠駅に到着。
幸先の良い列車との遭遇。
偶然の出会いこそ旅の醍醐味とするとしているので、列車の時刻表は見てない。
ただし、帰りに中井侍駅から輪行乗車する時刻だけは念入りに調べてきた。
駅巡り最初は、天竜川のライン下りの船着場もある「唐笠駅」。
観光客の多かった時は利用客で賑わったようだが、Wiki調べでは、1日の利用者は11人(2018年度)とのこと。
送迎用のマイクロバスや休憩施設にも人影は全くない。
到達難易度は決して高くないが、駅待合室には「駅訪問者ノート」が置かれ、見事に描かれたイラストが目に入った。
次の田本駅に向けて走り出すと、すぐに押しを強いられる急登に。
標高差350mを一気に登らされるため、時折20%以上の勾配が現れるも、この段階では時間に余裕があるので、無理せず進む。
こんな道を利用する人がいるのかなぁなんて会話をよそに一台の軽トラが抜き去る。ドライバーは物好きな連中的な目線を笑顔で向けていた。
ようやく稜線近くに出ると一気に視界が開けた。先ほど男根像を見かけた集落が眼下に見える。
小雨の生憎の空模様もここで一気に晴天に変わる。
「秘境駅」という名称を最初に発表した牛山氏のサイトでは、第5位にランクされている「田本駅」。
駅への入り口からすでに山道の様相。標識に従い立派な車道の脇の小径を進む。
最初のうちは乗車できるも、すぐに倒木や急勾配となり押し歩きに。

駅に向かうとは思えない山道。
簡易的なコンクリが埋め込まれていて、これがビンディングシューズの金具との相性が悪く、慎重に歩かねば滑って谷底ならぬ天竜川まで落ちそうな恐怖感に。
自転車なしで普通のシューズなら問題ないが、この道に関しては自転車はただのお荷物と化す。
不意に崖下から列車の音が。少しタイミング早ければ駅でのご対面ができたが、間に合わず。
落下防止のフェンスが現れたら田本駅は近い。
豊橋方面に向かうトンネル上の部分にようやく辿り着く。
悪戦苦闘の20分にようやく終止符。
崖にへばり付くようにある田本駅。反対側は天竜川。
2018年度の1日平均利用者は1人とあるが、今でも利用しているのかは怪しい。
山道の倒木状況からすると、沿線住人が利用しているとは思えないのだ。
しかし、列車から降りて、次の列車に乗り込むような秘境駅巡りの人は確実にいるのだろう。
飯田方面、豊橋方面ともにトンネルに挟まれた田本駅。
駅に辿り着くには、豊橋側のトンネル上に出てくる道のみ。
次の温田駅に向かう道は、先ほど降りてきた道の途中から分岐されている。
こちらは天竜川に沿って進むので高低差も少なく歩きやすい。
天竜川にかかる吊り橋を渡ると、クルマの入れる道に到達。
橋の途中に掛けられた色あせた人形の意味することは!?
今回の駅巡り道中で一番大きな街となる阿南町。
唯一の食事処めんくろうで昼食とする。
食後は再び天竜川を渡り「温田駅」へ。
先ほど田本駅から渡った吊り橋とは実に対照的。川幅も広く雄大な景観。
高校や役場の最寄駅の温田駅は1日の利用者も200人を超える。
利用者10人以下の駅が多い飯田線秘境駅区間ではダントツの利用者数。
築70年を超える駅舎は、解体が決まっている。
次に訪れる機会があっても、この風景は見られない……。
〔後編に続く〕
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