旅からす本館 日本をもっと楽しもう!!

butobosoと申します。 ヤフーブログ停止に伴い移行しました。自転車趣味を中心にライフスタイル全般ならびに旅日記をお届けします♪

自転車、鉄道、オートバイの手段で日本中を旅して30年以上。本土のみならず、北は礼文島から南は波照間島まで様々な土地を旅してきました。 分割ながら、自転車による日本一周を30代で終えました。 旅人宿であるユースホステルには300泊以上宿泊しました。 自費出版で「旅からす」なる旅の本も不定期に発行しています。 子育て真っ最中なので、中々旅には出られなくなりましたが、身近で小さな旅を楽しみながら、家庭崩壊にならない程度に多彩な趣味を楽しんでいます♪

ロードだけでなく、多くのサイクリング車に
ビンディングペダルが使用される時代になりました。
しかし、その進化の過程を知っているサイクリストは少ない事でしょう。

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そして、トークリップ(フラットペダル)よりもビンディングペダルの方が優れていると勘違いする方も昨今は多々見られますね。これは最後に記しておきます。

今回は、シマノのペダルの進化の過程を紹介します。

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今やシマノのSPD、SPD-SLペダルは、
数あるビンディングペダルの中でもトップシェア。

しかし、シマノがペダルをラインナップしたのは他メーカーより遅く、
しかも独自のスタイルに拘るがあまり、人気は今ひとつ……
どころかクレームも多々あったようです。

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1980年にデュラエースEXコンポに加えられた、
「DD(ダイナドライブ)ペダル」です。

ペダルシャフトを廃し、踏み面を低くする事で、ペダリングのロスを抑えられる革命的なペダル構造とカタログでは謳っています。しかし、取り付けには専用のDDクランクに限られる上に強度不足から折れるといったトラブルもあったそうです。まだシマノはペダル作りのノウハウに乏しかったのか、この写真の初期タイプには蹴返しのツメすら付いていないのです(汗)。当然ながら私もトークリップを拾うのに苦労させられました…。

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7400デュラエースペダルは持っていないので、同型の中級グレード600ベタルです。

結局シマノはDDペダルの欠点を払拭出来ずに74系デュラからは、普通のペダルシャフトになり、形状こそエアロタイプですが、他社製クランクにも取り付けられる互換サイズを採用した訳です。

当時は、他社製であろうともパーツの規格互換が最優先に
重んじられた時代なのです。その点では、現代パーツは酷いものですね…。

しかし、時代はトークリップ式ペダルから、ビンディングペダルへの移行期に入ります。1984年にスキーのビンディングノウハウから自転車ペダルを開発したLOOKがペダル革命を起こしたのです!!

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シマノは慌てて、LOOK社から技術提供を受け、7401ペダルを発売します。
ご覧のように、ペダルにはLOOKパテント、フランスブロデュースなる刻印があります。当然ながらビンデングクリートもLOOKタイプです。このペダルはツールに参加する大物選手にも人気が高かったようです。ところが、シマノは苦渋の決断だったようで、品番が7401でありながら、デュラエースの名称は正式には付かなかったのです。

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当時、シマノのライバル、サンツアーはタイム社のビンディングペダルを採用。
カタログの右下は7401になっていますが誤植です。7410が正しいです。

そこでシマノは、MTBクリートとして開発したSPDを採用した7410ペダルを開発・販売しました。ところがこのペダルはツール参加選手に不評だったようです。SPDでは固定力が弱く、一線級のプロロード選手のパワーに対応出来なかったのです。私個人としては、この7410ペダルは普通のサイクリング用ペダルとしては優秀だと思っていましたけどね(苦笑)。

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写真は7700のペダルですが、ノーマルではなくデュラエース25周年記念モデルです。

そこで、シマノはSPDとは別の、ロード用ビンディングシステムのSPD-Rを開発しました。そして7700デュラシリーズに投入したのです!!  このペダルは小型軽量で本体だけ見ると凄くよく出来ています。しかし、シマノはここでも失敗を繰り返してしまいます。

クリートのトラブルが多発してしまい、回収騒ぎを起こしてしまったのです。
もちろん対策品を出して、問題なく使用出来るのですが、
シマノ自身がSPD-Rを見限ってしまいます。

2000年過ぎに発売された、7750ペダルは、更なる新システムのSPD-SLを採用。これが現在の9000系のペダルまで受け継がれているのです。皮肉な事に、このSPD-SLはLOOKシステムによく似ています。シマノはDDペダルから20年以上ペダル分野での失敗を繰り返し、ようやく現在の地位を得たのです。

オリジナルのペダルシステムを作り上げる事は、
シューズという、別分野の製品まで囲い込むことに成功した訳で、
シマノのこれまで苦労もようやく報われたと言って良いでしょう。

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対照的に80年代までのペダル形状を造り上げたカンパは、今やペダルの製造すら止めてしまいました(一応トラック競技用のレコード・プロフィットペダルはカタログに残ってます)。それとは対照的に新たなシステムでペダルを作るメーカーも増えてきましたが、LOOK改良型のようなモノが多いですね(汗)。
最後に一つ勘違いされている方も多いので書きますが、
トークリップタイプはビンディングペダルに劣るという考えは間違いです。

引き足が使えない?  固定力が弱い!?  
なら何故、今でも競輪ではビンディングペダルが禁止なのでしょう。

フラットペダル&トークリップ・トーストラップペダルも専用のクリートが付けられているのを知っていますか?  普通のスポーツシューズでも使えて、さらに専用クリートを付ければ確実に足を固定出来る。実はビンディングペダルよりも用途は広いのです!! フラットペダルもしっかりモノを選べば、競技でも使える事を知っておいてください。

ちなみに、最後の写真の右上は、ミカシマRX-1。NJS認定モデルです。競輪選手に一番人気なのです♪ 

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コメント

 コメント一覧 (1)

    • 2.  butoboso0217 butoboso
    • 2024年11月26日 17:10
    • ★INTER8殿
      お疲れ〜。
      自由に使って構わないよ。
      ビンディングな時代にDDペダル方式かぁ。
      確かフラットペダルではタイオガ!? だったか一時期販売してたよね。
      輪行菩薩さんが使ってたしね。
    • 0
      butoboso0217

      butoboso0217

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