今やMTB用にリヤ12速、ロードレースの世界でもディスクブレーキ試用解禁。
益々自転車という乗り物がメカ依存になっていくようです。
プロとしての勝つ道具は日々進化しなければいけないのでしょうが、
機材の優劣が勝負に繋がるようではモータースポーツと同じ。
自転車競技は生身の見える人間らしい闘いを続けて欲しいものです。
☆
噂程度だったFSAのロードコンポパーツも市販に近づいているようです。
「カンパ」「シマノ」「スラム」の3強に入り込めるか、今後の動向が楽しみ。
かつては、日本の「サンツアー」もヨーロッパレースで大活躍。
志半ばでメーカー倒産・消滅してしまったのは残念でした。
そして、他にもコンポメーカーとして君臨していた
日本メーカーがあったのをご存知でしょうか!?
それは、今でもクランクメーカーとして有名な「SUGINO(スギノ)」です。
伝統的でクラシカルな5アームの細身のクランク「マイティツアー」は、
クロモリフレームを今でも愛する方々に人気が高いです。


スギノはサンツアーのクランクのOEM元であった事でも知られます。
自身は最初に購入した本格的サイクリング車にスーパーマキシーが標準装備。


そしてツーリング用クランクの傑作品「プロダイナミックス」は、
今でもTOEIパスハンターで使っています。
そんなクランクメーカーのスギノがこんな広告を打ち出しました。

1985年と言えば、バブルに向かって日本経済が上向きの頃。
日本の自転車産業の絶頂期でもありました。
今では珍しく無いティーザー広告ですが当時は珍しく、
しかもそれを自転車メーカーが行うのは斬新な事でした。

程なく発表されたのが、ロードコンポーネンツ「スギノ75」だったのです。
85年発売、何故スギノ85でないの!? そんな疑問が湧きましたが、
75とは、クランクの材質「超々ジュラルミン75S」の事でした(苦笑)。
※スギノ創設75周年記念の意味合いもあったようです。
当時はサンツアー、シマノに次ぐ第3の国内コンポメーカーとして騒がれます。
特にクランク、シートピラー、ペダル他に使われたカーボン素材は、
市販品としての採用は他社より早く、画期的な製品とされます。
しかし、リアルレーサーを含め、自転車趣味人の見方は冷めたもの…。
メカはサンツアーOEM、ブレーキは吉貝OEM。
同じOEM製品集合体のサンツアー製品とは対照的に、人気は上がらず。


Wレバーはオリジナルカーボン製品でしたが、メカはシュパーブ(プロ)のOEM品
メーカーのデモ品は見かける事があっても、個人所有車を見かける事はなく。
細かなMCを行いながらも数年の短命で自然消滅となるのでした。
幸いな事に、スギノ75のクランクだけは人気があり、
競輪供給された事で、現在も現役製品として売られているのです。
☆
近年では、吉貝(ヨシガイ)がマイクロシフト等台湾ブランドと協力して、
コンポパーツ「グランコンペゼロ」を販売しますが、
こちらも勢いなく失速状態のまま現在に至ります。
スラムは元ヨーロッパブランドをルーツとする事から面目を保ち、
カンパ、シマノに割って入るメーカーまでになりました。
FSAのチャレンジはどうなるか!?
そして、日本ブランドの飛躍を望みたいのです!!

こちらは80年代に発売された世界最高価格のスギノ製クランク。
カンパレコードの倍以上の11万円の価格には驚きでしたが、
実際にはかなり値下げしても完売は難しかったようです。
プロ友さんでこれを持っている方が居るのです。凄いなぁ!!
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