長く自転車趣味を続ける人にとって、
サンツアー(前田工業)製品はシマノと共に、
日本の誇る自転車パーツメーカーとして知られます。

無くなってから、その偉大さに気が付いても時既に遅し……。

シマノと切磋琢磨して、ヨーロッパのパーツメーカーと真っ向勝負。
結果サンツアーは消滅しますが、シマノは世界のレース界を制覇します。
カンパという偉大なメーカーさえも、今はシマノの勢いに飲まれっぱなし。
レース界はそれでいい……。
でも趣味のサイクリスト、特に70、80年代に自転車趣味の主流だった、
ツーリング車の世界では、不遇の時代の始まりでもありました。
☆
押入れから出て来た古いサイクルスポーツ誌。

1997年1月号。
この頃は、まだロードの勢いよりもMTBに勢いがあった時代です。
誌面でも「ロードバイク」でなく、「ロードレーサー」と表記。

表2(表紙の裏面)のメイン広告ページはミヤタのMTB。
まだディスクブレーキでなく、Vブレーキが使われています。

フジサイクルもまだ健在。今や本社町田工場は市役所の建物に……。
町田は横浜に隣接、横浜市内にはフジサイクルの特約店も多かったです。
そのおかげか、富士オリンピックを選ぶ若者も多く、
私もまた、その中の一人でした。

MTBとロードの二極化にNO!!
アルプスの広告はニューサイだけでなく、サイスポでも健在。
用途に関わらず、流行の車種ばかりに乗りたがる流れは、
MTBの誕生の頃から目立ち始め、今のロードバイクブームに繋がりました。

リヤか9速のデュラエース7700が新登場とあって誌面は特集を組んでいます。
私にとっては今でもデュラは7400系が一番、7700系が二番。
それ以降はレーシーな方向に降り過ぎてしまい、
耐久性が重要とされるツーリング車に組み込めるような
パーツも無くなってしまいました。

当時の開発陣のインタビューには興味深い文言がありました。
「必要最少限の耐久性で出来ているのがいい。
それだけ軽くできているということです。」
当時から既に開発者はレース部品には耐久性を求めないとも取れる考え方。
現代のエスカレートした軽量部品はレース機材としては有効ですが、
それを趣味レベルで公道を走らせれば壊れて当然な訳ですね。
もう一つ多段化に対するインタビューでは、
「スプロケットは何枚まで増えると思いますか?」
「時間はかかるでしょうが、10枚まではいくとおもいます。」
それから20年、ロードでは11段が当たり前。
MTBに関してはスラムが12段を登場させています。
次の20年後はどうなっていますかね!?
☆
この97年頃は、MTBブームの勢いが無くなり、
ロードもまだ一般的ではなかった時代。
それでも誌面の広告の8割はMTB関連でした。
ランドナーブームの頃のサイクリストたちも自転車から離れた人が多く、
旅先ではツーリング車どころか、ロードに乗る人にも出会わない事ばかり。
GWに一週間自転車旅して出あったサイクリストは片手分も満たしません。
TOEIで注文したスポルティーフとパスハンフルオーダーフレームの
納期も半年かからず仕上がって来ましたし、値段も良心的でした。
そんな時代ですから、今や古物パーツとして高額取引される
パーツの叩き売り広告もよく見かけます。

カンパレコードハブが12,000円!! ラリーのリヤメカが8,500円!!

何と!! スギノエアロマイティのペダルがまだ残ってた上に1,800円!!!!
※これは当時気が付いていたら即買いしていたはず(汗)。
そして、当時の叩き売り製品と言えばサンツアー!!
94年頃から叩き売りが始まり。この頃でもまだ売れ残りがたくさん。

手書き広告が懐かしい、なるしまフレンド。
シュパーブプロやXCプロが半額どころか75%OFF以上!!!!!
前後メカセットが5,500円。クランク3,900円、クランク+ギヤ板5,300円。
ブレーキレバー1,600円、Fハブが2,900円にRハブ4,000円。
おぉぉーっ!!!! XCプロはコンポフルセットで36,000円!!
もう興奮もののお値段で売られていたのです。
なるしまさんだけでなく、他の店舗でもシュパーブプロの叩き売り広告。

今やネットのリアルタイムで店舗価格が見れますが、
昔はサイスポのこんな広告が毎月楽しみだったりしましたね♪
しかし、サンツアー製品の叩き売りは凄過ぎました。
今は結構な高値でヤフオクなどで取引されていますよね。
自転車パーツがビンテージ高値取引なんて
時代が来るとは思ってもいませんでした。

ちなみに、私のTOEIパスハンには、その頃買った叩き売り製品が
たくさん取付けられているのでした♪
プロダイクランクだって、最後はBB付きで6,000円でしたもんね(苦笑)。
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