
自転車は、原寸大プラモデル等とも呼ばれます。
体格や走り方に合わせてスケルトンを採寸し、フレームをビルダーさんに頼み、
自分で部品を取付けて、世界で一台のスペシャルバイシクルを仕上げる。

そんな自転車趣味スタイルは、70~90年代まで趣味人では当たり前。
しかし、MTBがアウトドアブームとセットになって広まり始めると、
オーダーバイシクルは一気に衰退の流れになりました。

オーダーフレームの最盛期には日本にはたくさんのブランドが存在。
アルプスやセマス、ホルクスのように自社製造せずに、
他社ビルダーさんに委託しながらも、独自ブランドを築くタイプ。
そして、自社工房でオリジナルブランドを手がけるタイプ。

何れにしても、大抵は1~4名程度の小さな工房が、
日本のオーダー車の世界を支えて来たのです。
しかし、ひとつ残念なニュースが入って来ました。
ブロ友の釣り人さんも記事にされていましたが、
ヴォーグブランドで一世を風靡したオリエント工業さんの廃業。
※追記/ヴォーグブランドは別会社に引継がれ、
高比良さんもそちらに関わるようです。
後継者の育つチャンスもあるようですので期待しましょう!!

アート様式な絵柄をロゴ内に配した、独特の雰囲気のブランドでした。
トーエイやエベレストとも関係の深いビルダーさんの作り上げるフレームは、
奇をてらわず、80年代の雰囲気を色濃く残す貴重な品でもありました。
詳しい事はここでは伏せますが、以前私が危惧していると記した通り、
日本のフレームビルダーさんの高齢化が深刻な問題です。
私が学生だった頃に、中高年だった方が今でも現役で作っていると考えれば、
如何に高齢化が進んでいるかが分かると思います。
ビルダーさんの多くは一匹狼的なスタイルで、後継者は存在しません。
だから何か問題が起きてしまうと、そこで幕引きせねばならない状況なのです。
これは、自身も自営業であるため、痛感してしまう事でもあります。

若い後継者、もしくは暖簾分けできるような人材がいる工房は救いがありますが、
そうでない所が大半であると考えると、日本のフレーム職人は減るばかり。
幸い、日本にはガラパゴスな競輪フレームの需要があるため、
NJS認定を受けている工房は、採算的には計算が見込めるでしょう。
しかし、個人客相手だけのビルダーさんは、採算的にも厳しいはず。
それでも、火を絶やさず続けている工房さんには頭が下がります。

今のロードバイクブームは、80年代の自転車趣味とは違った方向に進みます。
それでもロードバブルに便乗するように、リターンサイクリストが増えていき、
一部の人はクロモリオーダーの世界に戻って来ました。
しかし、昔のように選べる程の工房は無くなり、
一極集中のようになってしまい、受注パンク状態のビルダーさんもあり。
その一方で、ひっそりと火を閉ざしていくビルダーさんの姿もあるのです…。
☆
この土日は、2018ハンドメイドバイシクル展です。
ここ数年で、今時のローディーさんの来場も多く見かけるようになりました。
人と違う一台に乗りたい!! そう思う趣味人の方にはおススメのイベントですよ♪

たぶん、自身は現状の愛車たちに満足しているので、
もうオーダーフレームを頼む事は無いと思いますが、
今オーダーを考えるなら山音製作所のMONSONでお願いしたいです。
新興ブランドながら、クラシカルな伝統と現代パーツとの融合。
何よりビルダーさんのセンスの良さを感じます。
ランキングに参加しています。
よろしければワンクリックお願いしま~す♪
コメント