自転車に限らず、製品というものは進化し続けるもの。
それに対応する人だって鈍化ではありますが進化していますよね。
乗り物には、旧車族的なジャンルもあって、
自分の若い頃に惚れ込んだモノ、生まれる前のモノ、
それに乗り続けたり、中古を購入して喜ぶ人は多いのです。

車検のない乗り物であり、改造自由な自転車は、
オーナー毎の個性・拘りによって自由に表現出来る。
時にレーシーに、時にノスタルジックに、
そしてアート的な自転車を組み上げる人も多い趣味の世界であります。
☆
もう、ロード好きで事情通の方ならご存知でしょうが、
カンパの新レコード(スーパーレコード)が発表され、リヤは12速化。
その善し悪しや個人的な好みは抜きとして、フリーの12段に注目してみます。
●カンパ新型スーパーレコード
昔から回転部の精度と滑らかさに定評のあったカンパですが、
実はフリーに関しては、軽量品の軽合フリーに無理があり、
破損相次ぎ、一般ユーザーが手を出せる代物ではありませんでした。
レース用のスペシャルパーツとしてはアリだったようですけどね。

ハブはカンパ、でもフリーはレジナという人が多かったはず。
自身はカンパとサンツアーのウイナーフリーとの組み合わせです。
何故かというと、エンド幅120mmのハブに6段を使いたかったから。
ボスフリー全盛時代の70、80年代は、
エンド幅120mm=5段、エンド幅126mm=6段
もちろん、まだ130mm幅の無かった時代での話です。

その時に、サンツアーが多段化への先駆けとなるウルトラフリーを発表。
スプロケの間隔を狭めて、120mmエンドに6段(ウルトラ6)、
126mmエンドでは7段(ウルトラ7)を取付ける事が可能になったのです。

勢いそのままに、サンツアーは軽量化を極めた軽合フリーの
マイクロライトシリーズを発売。もちろんウルトラタイプもラインナップ。
長らく、自転車の多段化は6,7段までに留まりますが、
シマノが1991年にデュラエース7400系の8段カセットフリーを発売します。

※左/デュラエース7402、右/デュラエース7700
この時に、ちょっとした騒動になったのが、
エンド幅が130mmになってしまった事!!
ここでは詳しい事は述べませんが、エンド幅は狭い方が良いとされています。
そして、8段となり、既存のフリクションWレバーでは変速が難しくなり、
シマノはこれをインデックスでクリアしてきました。
同時にSTIレバーの発売も行なったと言う訳です。

もはや、この時代にはランドナー乗りも見かける事は減り、
ロードかMTBかといった、二極化の自転車趣味暗黒期に入り込みます。
ですが、結果としてMTBのインデックスシステムのおかげで、
ロードパーツの多段化への進化が再び動き始めたのです。
☆
話を戻し、カンパの新レコード。
驚いたのは、エンド幅130mmのまま12段とした事にあります。
てっきり12速化する時はMTB系の135mmになると思っていたからです。

既にスラムのMTBパーツは12段になっています。
しかし、それはエンド幅が135mmであったから容易だったはず。
デュラ74の8段130mmから、既に20年以上の時が経ちましたが、
エンド幅は130で変わらず、9,10,11,12へと進化した技術は凄いです。
金属加工や材質加工の進化がなければ無理だったでしょう。
スプロケが1枚増えるだけで、エンド幅が変わっていた時代を思うと、
130mmで8~12段に対応してしまう事は驚異的でもあるのです!!

しかし、無理な多段化が部品の耐久性を落とす事は、
自身の長年の経験で、痛感しています。
レース機材としての割り切りは良いとして、
趣味の自転車に組み込む事には、正直ためらいも感じるのでした。
スプロケが11-29Tと11-32Tの2種しか用意していないのもNGですね。
それ以外の組み合わせでは耐久性と精度に自信を持てない
現れのようにも思えるのでした。
それでも、既存のフレームやホイールを流用でき、
選択肢が広がった訳ですから、12速化は素直に歓迎しましょう♪
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